行政視察について

 今夏、某議員さんの海外視察の際のお写真が大変な物議を醸し、海外行政視察の是非について皆さんいろいろなお考えが浮かんだのでは無かろうか、と思います。私も市民の方々から「視察じゃなくて旅行でしょ」とか、「この物価高で生活が大変な時に、わざわざ円安で旅費がすごいことになっている海外に行くの?」ですとか、「旅費に見合った成果を出してるの?」などの厳しいお声を頂戴しました。

 国内外問わず、視察は確かにzoomで事足りる事案もありますが、基本は現地で実物を見たり、話を聞いたり、街の様子を見たりしないとなかなか理解が進まないものだと思っています。また、その時の社会情勢が視察の是非に影響するのは間違いありません(因みに宇都宮市議会の今年度海外行政視察は物価高騰や円安による旅費の高騰等を理由に延期となりましたし、もちろんコロナの時は国内の行政視察も中止でした)。

 総じて言えるのは、皆さんの議員に対する不信感は根深く、この不信感を解消する為には、その視察内容(何処で何を学んだのか、現地に行ったのかzoomなのか)や学んだことを地域にどう活かすのか、活かされたのか、旅費は公費なのか、政務活動費なのか、自費で行ったのか、徹底的な透明性の確保が必要であるということです。この透明性については国内/海外・公費/政務活動費/私費を問わずであると考えますので、「政務活動費の視察だから報告は不要」とか、「海外視察はけしからん!!(国内視察はいいけど)」というような考えではいつまで経っても透明性は確保されませんし、有権者の信頼性は向上しないでしょう。

 自身への戒めも込めて、まずは3日間の視察ご報告をしたいと思いますので是非ご覧頂ければ幸いです。


■総務常任委員会視察(公費にて、11月8日~10日(3日間)現地へ赴きました) テーマは「自治体DXについて」です。常任委員会の視察なので、正式な視察報告は年度末の議会における委員長報告の中で行われます。


①神奈川県横須賀市(自治体初!横須賀市役所でChatGPTの全庁的な活用実証を開始:https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0835/nagekomi/20230418_chatgpt.html(2023.11.15確認))

→どの自治体もDXに関する職員さんは積極性ある方が多い印象だが、生成AIの活用をファーストペンギンで行ったことから分かるように、とにかくDXを進めていく姿勢・熱意が伝わってきた。興味深いのはデジタルデバイド対策にあまり重きを置いていない点で、言い方が悪いがデジタルに付いてこれないからといってケア(デジタルデバイド対策)に時間を要するとどんどん人口減少が進んでしまうという切迫感のような印象があった(10年間で3万人人口減という背景が大きいのかもしれない)。職員のデジタル人材育成についても全体的な底上げというよりはデジタルが分からなくても改革マインドの高い人材を育てていくといった姿勢が宇都宮と少し違う。意識が高いので従来の業務フローの可視化(全庁)を経て、業務改善にかかる実装や既定の見直しが早い印象でもあった。

→生成AIの活用に関しては個人情報保護やセキュリティが懸念事項として挙げられるが、敢えて活用をすることによって職員の情報セキュリティポリシーやAI質問スキルの向上に繋がっていると捉えた。宇都宮も先進技術活用をはじめDXの推進を恐れることなくどんどん進めるべき。


②福岡県福岡市(欲しい情報だけLINEで届く!福岡市LINE公式アカウント:https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/74877/1/Guide_Fukuokacity_LINE_official_account.pdf?20210419115409(2023.11.15確認))

→独自のスタンプ配信やLINE社との地域的なつながりもあり上手く波に乗れたと職員さんは仰っていたが、防災や道路損傷通報機能などのレパートリーが豊富な点、お知らせ機能のカスタマイズが可能な点(自身に不要なお知らせは届かない)、ユーザインターフェースも高く遊び心を取り入れている点も相まって、人口を上回るLINE登録者数(約186万人)を確保されている。今後、様々な施策を進めていく中でも重要なプラットフォームになると考える。

→DX全般に関してはふくおかサポート(https://www.portal.city.fukuoka.lg.jp/user(2023.11.15確認))のようなプッシュ型の通知で漏れを少しでもなくす取組みや様々な場面での窓口業務をなくす取組が進んでいる。特に高齢者乗車券申請のオンライン化などは宇都宮でも進められるのではないか。高齢者向けの手続きであるにも関わらず、申請数が多い印象も受けた。既存の電子申請利用の経験やご家族の手助けがあったからではないか、との職員さんのお話だが、上記LINE登録者数との相関も少なからずあるのでは。


③佐賀県佐賀市(佐賀市公式スーパーアプリ爆誕!:https://www.city.saga.lg.jp/promotion/main/2649.html(2023.11.15確認))

→スーパーアプリはすべての情報ハブとしての機能とデータ活用の役割を果たすべく市や他のHPのURL接続に留まらないデータ連携カテゴリが充実していた印象。よくある自治体LINEは通知が多くて未読の場合もあるが、スーパーアプリはデータ連携が出来るからこそ個人にあったプッシュ型の通知や地銀での住所変更手続き、自分がリアルタイムで知りたい情報がページを回遊することなくすぐに閲覧できる仕組みとなっている。UIも高い。また、アプリの設計構築については地元のIT企業が携わっており、全国的な自治体連携プラットフォームとしての可能性を秘めている点を謳っていることからも長期的視点で地元企業応援に繋がっていると見る。今後はアプリの使用をはじめID登録者数を増やす取り組みや更なる機能充実を図るとのことで、既存の佐賀市公式LINEとのすみ分けをどのように図るのか注視したい。またプラットフォームの在り方(独自で構築か、LINEのような既存の基盤を応用するか)は宇都宮もサービス拡充の際のニーズを的確に捉えながら設計構築or既存機能の拡充を図らねば。


以上、今回の視察報告でした。ここまで長文にお付き合い頂いた方、ありがとうございます。あなた様に良いことが起こりますように・・・(完)

宇都宮市議会議員|茂木ゆかり後援会

ご覧いただきありがとうございます。宇都宮市議会議員|茂木ゆかりと、後援会活動をちょぼちょぼアップしていきます。 普段は真面目、時に泣きあり笑いあり。どうぞお付き合いください。

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